こだわりの「瓶入りサイダー」に地域の物語を詰めて

地サイダー 事例紹介

【長崎県】雲仙の歴史や雰囲気を大事にした「温泉(うんぜん)レモネード」

佐賀県で「こどもびいる」や「スワンサイダー」など、特徴的な清涼飲料を製造・販売している友桝飲料に、雲仙観光協会から「温泉レモネード」の製造依頼が来たのは、2006年・春のことだった。わずか半年という短い開発期間の中で、友桝飲料は雲仙観光協会や、地元住民らでつくる「雲仙ブランド委員会」の要求にきめ細かく対応。明治・大正時代、長崎県で外国人観光客らに親しまれたラムネ飲料を彷彿させる、「温泉レモネード」が完成した。「温泉レモネード」は、雲仙島原の天然水と、雲仙産のグリーンレモンを使用。液糖ではなく砂糖を使っており、昔ながらのさっぱりとしたレモネードを再現できた。

「温泉レモネード」の開発には、自治体も協力していた。長崎県では、町おこしの支援に力を入れており、開発のアドバイス、資金の援助、販路の開拓などを行っている。長崎県物産流通推進本部の振角(ふりかど)氏は「地元で愛される名産品づくりのお世話をし、全国に広げていきたい」と語る。

1.商品名

温泉レモネード (330ml 販売価格200円)

2.開発主体

[ 企画協力 ]
雲仙観光協会・ブランド委員会
[ 販 売 ]
雲仙旅館ホテル協同組合

観光客の増加を目指し、お客様に喜んで頂ける、手頃な手土産品の開発を目指し、観光協会にブランド委員会が発足し、商品の企画が行われた。

温泉レモネードラベル 温泉レモネード

3.商品の特徴

① 天然水・レモンを使用している。
天然水、レモンは、ここでしかとれないものを活用しており、地域性が創出できる。
② 手頃な価格設定である
1本200円、これをカートンで6本とすれば、1,200円の手頃なみやげとなる。
③ 施設全体で販売されている。
観光協会や組合が主導的役割を果たしており、統一感ある販売が可能となる。
④ 収益源が確保できる。
この活動を通じて、財源が捻出可能となり、新たな地域商品の開発が可能となる。

【 経緯 】

  • 雲仙では、地域を代表するにふさわしい、手頃なみやげ品の開発を検討されていた。
  • 当初は、当社商品のラベル変えの依頼であったが、実は、当地にてラムネを作っていたという歴史があることがわかり単なるラベル変えでない企画を提案することにした。
  • 当社の考えでは、よほどストーリー性がないと、消費者に支持されないとし、この考えに基づいて、ヒアリングしたところ、炭酸泉やレモンなど、他にはない、優れた資源があることがわかり、それを商品作りに活かして完成させ、定番商品化している。
  • 商品をつくる視点として、特別なものでなくてもよいが、単純でも売れない、そのため、委員会に参加し、互いに協議することで、商品化が可能になり、組合活性化のための財源捻出に寄与していることから、飲料以外のご当地名物、おみやげ品開発につながっている。

能古島サイダー

1.商品名

能古島サイダー (330ml 販売価格200円)

ノコリータ (330ml 販売価格200円)

2.開発主体

[ 企画協力 ]
能古島観光協会
[ 販 売 ]
ノコ二コ(能古島内のカフェ)

福岡市近郊の島で、行楽シーズンには多くの人で賑わう場所ではあるが、島独自のお土産が無く地元をPRする商材が無かった。島のPRを目指し、手頃な手土産品の開発を能古島観光協会のスタッフを巻き込んで行った。

能古島サイダーとノコリータ

3.商品の特徴

① ノコリータ
能古島で取れる甘夏果汁を利用している。
ラテンで洋風なイメージのイラストを採用。 → 若者向け
② 能古島サイダー
ラベルは島の形をした瓢箪型の形状を採用し、分かりやすい島名のサイダーとした。
オーソドックスで万人受けするレモン系サイダーとした。 → 中高年向け
③ 手頃な価格設定である。
1本200円、これを専用4本箱入りのセットで800円の手頃なみやげとしている。
④ 施設全体で販売されている。
観光協会や組合が主導的役割を果たしており、統一感ある販売が可能となる。

【 経緯 】

  • 能古島では、お土産となる商品が無いということが長年の悩みとなっていた。
  • 島内のカフェ「ノコ二コ」夫妻が店内で提供し、お土産にもなるアイテムをさがしており、小ロット生産が可能な当社へ打診があった。
  • 当初は能古島特産の甘夏を使った商品「ノコリータ」のみの展開を計画していたが、イメージ的に若者向けのアイテムであったため、中高年向けに安心感のある定番サイダーも同時に発売する計画となり島のイメージをイラストにした、島の形のラベルの「能古島サイダー」も発売した。

オリーブサイダー

1.商品名

オリーブサイダー (200ml 販売価格200円)

2.開発主体

[ 企画・販売 ]
有限会社谷本商会
[ デザイン協力 ]
有限会社ウィロー

小豆島特産のオリーブ植栽100周年記念行事に合わせて、島の名物となるようなお土産ができないかと、地元お土産業者の谷本商会様から弊社に相談が寄せられた。

オリーブサイダー

3.商品の特徴

① 小豆島特産のオリーブを原料として使用している。(日本初)
日本国内では数少ないオリーブの産地をPRでき、地域性も創出できる。
オリーブとサイダーの以外な組み合わせで非常にインパクトあり。
② オリーブ植栽100周年行事との相乗効果
島をあげての行事「オリーブ植栽100周年」に合わせて商品化することで、いろんなメディアへの露出や情報発信、売り場導入などが容易に進む傾向あり。
③ 島内全体で販売されている。
記念行事との連動もあり、関連商品とセットで島内多くの売り場で販売されている。
④ 手頃な価格設定である。
1本200円。

【 経緯 】

  • オリーブオイルは有名だが、搾りかすの処分には非常に費用もかかり何か有効な利用方法がないか長年検討されていた。
  • オリーブの搾りかすからオリーブ果汁シロップへの加工技術が確立したため、この原料を使った商品開発と、島全体の行事である「オリーブ100年祭」に向けたオリジナル商品の開発を谷本商会様が企画され、地域商品の開発実績のあった当社へ商品開発の相談が持ち込まれた。
  • 特徴あるオリーブの雰囲気を再現すべく色、風味、商品全体のパッケージデザインまで細部にこだわり、デザイナーの現地視察等も行い、両社意見交換を頻繁に行い納得の商品が半年かけて完成した。
  • 香川県産品コンクールにて最優秀知事賞(平成20年度)を受賞し、多くのTVでも取り上げられている。

湯布院サイダー

1.商品名

ゆふいんサイダー (330ml 販売価格200円)

2.開発主体

[ 企画協力 ]
由布院温泉観光協会
[ 販 売 ]
地域代理店4社

全国ブランドである「由布院」をよりPRでき、ブランドイメージの向上につながるるような特徴ある商品企画を観光協会で検討されていた。

ゆふいんサイダー

3.商品の特徴

① 由布院の癒し安らぎというイメージとおしゃれな雰囲気をパッケージで表現
これまで地サイダー系のアイテムは多くが薄いブルー瓶を採用していたところ、今回は印刷瓶を思わせるクリアラベルにグリーンボトルを採用し視覚的に地域イメージを表現。
② 由布院の天然水を使用
製品に使う水はすべて由布院の天然水を利用し地域性を創出。1本200円。
③ 地域全体で販売されている。(エリア以外での販売は不可)
観光協会主体によりエリア代理店を選定し、特定代理店から由布院市内の取扱店へ納入。代理店制を敷くことで販売方法など統一したプロモーションが可能。
④ 収益源が確保できる。
この活動を通じて、財源が捻出可能となり、新たな地域商品の開発が可能となる。

【 経緯 】

  • 由布院ブランドのPRと向上のため観光協会では商品企画が検討されていた。
  • 温泉地などで人気の高い「瓶入りサイダー」を当社側から提案し、観光協会の定期的な会議を通して、味、容器、デザイン、販売方法などの詳細を何度も打合せしながら決定していった。
  • ご当地性をより強く消費者に意識してもらえるように、販売場所を由布院エリアに特定し、そのための販売方法として、観光協会が地域代理店を選定し、統一的な販売方法ができるような説明、指導をおこなった。
  • 売上金額の一部を観光協会へ戻すことで、新しい商品開発のための利用可能な財源確保が可能となった。